繰り下がりのある引き算の覚え方

2009/03/31

繰り下がりのある引き算が苦手な子は結構いますね。そして、「計算は繰り返しが大事!」とやたら何回も練習する指導もあるようです。しかし、繰り返しやってもなかなか身につかない子がいるし、何よりちょっと頭のいい子は繰り返しすることをいやがってしまい、結局みにつかない、そして算数嫌いになってしまう、というケースが多いように思います。

 

私は珠算は2段くらいまでとった者ですので、かんたんな四則計算はすべてそろばんで計算してしまいます。中学のときには5,6桁のたし算、引き算は頭の中でできましたし、2桁x2桁の計算も暗算でできたのです。だから、計算の弱い生徒には「そろばん」を教えるのが一番いいと思っているのですが、最近では教科書にすら「そろばん」がのっていません。それでは、繰り下がりのある引き算をどう教えればいいのだろうか?

そんなときに、見つけたのが、写真「繰り下がり引き算」にあるような説明です。これは「1日10分算数が得意になる本(岸本裕史著)」にあった図ですが、そろばんの代わりに5つごとにまとめたタイルを使って頭のなかで計算をイメージさせるのです。そうすると、数字の計算が「イメージ」として捉えられるので、計算がわかりやすくなるのです。これは記憶法でいうところの「映像的な意味づけ」の例だと思います。

さて、この図で説明しているのは、「繰り下がりのある引き算は、引く数の(10の)補数をたせばよい」ということですね。たとえば、14-8の計算をするには、「4」に、8(に対する10)の補数である「2」をたして、6と答えればよいのです。

私の塾では「百ます計算」をやっていますが、引き算をするときに、まず、引く数の左に数字を書く子がいます。何をしているのか、と聞いたら、足して10になる数字を書いている、というのです。そして、その子は繰り下がりの引き算がでてきたら、引き算ではなく、「足して10になる数字」をたして解答しているのです。

筆算の例では、たとえば521-236は
41
521
- 236
⑦④
―――――
285
というように、1の位の計算=1から6を引くときに、6の補数である、4を○で囲って下にかき、10の位の計算では、まず、引かれる数の2を1にして、1から3は引けないから、3の補数である7を○で囲って下に書き、1と7をたした8を答えに書く、というように計算すると、繰り下がり計算の弱い子でもちゃんと計算できるようになります。
(521の52には斜線を入れたいのですが...)